2011 年 52 巻 2 号 p. 95-103
本稿では, 知識の習得と活用につながり,思考カ・表現力を育成することができるような作問指導を通した授業を試行し,その効果を分析することを目的として,中学校2年生の理科授業において,解答が1つの方向性とは限らないオープンエンド形式の問題を学習者に作成させる授業を行った。その結果,問題作りを通した授業を行った生徒と, 授業を行わなかった生徒について,思考力,表現力についての学習効果を調べた結果,作問指導を通した授業を行った方が有意に効果があったことがわかった。また,授業後,学習者の学習効果感を質問紙を用いて調査したところ,知識を活用することや科学的に考える力がついたと,学習効果について肯定的な意見が多く出された。