2012 年 53 巻 2 号 p. 229-239
参加型テクノロジーアセスメントの手法であるシナリオワークショップについて,科学技術と社会の関係を扱うことを意図した理科授業(STS教育)における利用法や活用効果を検討するために,臓器移植法案を題材としたシナリオワークショップを実践した。授業前後の質問紙調査の結果,臓器移植法案についての関心度が高い生徒の割合が増加した。また,臓器移植法案の改正に関する社会参加の意識が高い生徒の割合も増加した。さらに,プロトコルの分析から,生徒が互いに学び合い,同意・反対・問いかけを繰り返しながら議論が進んでおり,この手法を用いることによつて,発言しやすい雰囲気が形成されていることが認められた。よって,理科授業における生徒主体の議論・合意形成の手法として,シナリオワークショップが十分に実用的であることが示された。