理科教育学研究
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原著論文
主体的・協働的な学びを育成する理科授業研究の在り方に関する一考察
~カリキュラムマネジメントに基づく理科授業研究モデルの構想~
後藤 顕一松原 憲治
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2015 年 56 巻 1 号 p. 17-32

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抄録
社会の変化に伴い, 求められる資質・能力 1)の育成が一層重視され, その育成を目指す教育改革が進められている(例えば, 文部科学省, 2014a)。そこで, 理科授業研究において, 資質・能力の育成を目指す教育改革に対応した学習指導について多面的な視点から整理を試みた。国内外の調査では資質・能力の育成の柱の一つである「子供の主体的な学びを引き出す学習を促進させていく」ことに課題があることがわかっている。その改善のためには, 子供の主体的な学びの実現に向けて, 理科を学ぶ目的を意識するとともに, 「内容と学習活動と資質・能力」を一体としてつないでいき, 自らの学びを振り返ることができるようにすることや, 子供の学習意欲を引き出せるような教師の指導に向けて, 主体的・協働的な学びを促進し, それらを含め学習評価に結び付けていくようにすることが求められる。さらに, 理科授業研究において, カリキュラムマネジメントに基づき, 授業実践や学習評価につなげ, 検証・修正を重ね, 改善を図り, 次の学びや指導につなげ続ける仕組みを構築することが求められる。そこで, 資質・能力の育成のためにカリキュラムマネジメントに基づく理科授業研究モデルの構築に向けて, 子供の学び, 教師の指導といった二つの視点を置きながら, 内容・学習指導と評価の一体化について検討した。
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© 2015 一般社団法人 日本理科教育学会
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