理科教育学研究
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資料論文
「青少年のための科学の祭典」に参加した子どもと保護者の理科4分野に科学技術・工学を加えた5分野への意識と選択
中城 満伊谷 行邊見 由美赤松 直道法 浩孝岡谷 英明竹内 日登美原田 哲夫
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2015 年 56 巻 2 号 p. 249-259

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抄録

本研究の目的は, 青少年のための科学の祭典高知大会2011–2013に参加した子ども達と保護者について, 理科や科学への意識と理科・科学技術のどの分野に興味を示すのか, との間の関係を明らかにすることにある。質問紙は, 37–39の出典のうち, 「どの出典が興味深かったか。」「どの出典が為になったか。」「どの出典から新知識が得られたか。」の項目を含み, いずれも3出典まで選択できた。学校で理科が得意な(だった)参加者は, 得意ではない(なかった)参加者より, 「新発見があった」「為になる」と感じた出典数が多かった。化学分野の出展を“面白かった”“新しい発見があった”と評価した回答者たちに, さほど理科好きではない人たちが他分野より多く含まれていた。物理分野を“ためになった”と評価した回答群に理科が好きか得意な人達の割合が他分野より有意に高かった。技術・工学分野を“新しい発見があった”と評価した回答群の中に, “理科がとても得意”“得意”な人たちの割合が他分野より多く含まれていた。これらの結果を総合すると, 理科好きか得意な子ども達は“物理・工学系”に興味を持ち, 理科嫌いな子ども達でも“化学領域”なら興味が持てることを暗示している。

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© 2015 一般社団法人 日本理科教育学会
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