2019 年 59 巻 3 号 p. 443-455
本研究では,発達の最近接領域によって実現に向かう協働的な問題解決を念頭におき,科学概念構築を促す対話的な理科授業デザインについて検討した。対話を社会的相互作用の過程と捉え,その視点として,Alexander(2005)が示した「対話的な教授の原理」の指摘に着目した。また,対話的な教授の原理を促進する視点として,先行研究における形成的アセスメントに関する論考を援用し,「対話的な教授をアセスメントする視点」を措定した。分析の結果,以下の諸点が明らかとなった。(1)Alexanderの指摘する「対話的教授」に基づく授業デザインは,対話的な授業に有効に機能した。(2)評価する視点として措定した「対話的な教授をアセスメントする視点」は,「対話的な教授の5つの原理」を具現化することへ寄与した。これらの知見は,対話的な理科授業に基づく科学概念構築を促進する視点として援用できる可能があると考えられる。