理科教育学研究
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59 巻, 3 号
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原著論文
  • ―実験操作の前に測定を行う実験手続きに焦点を当てて―
    安部 洋一郎, 松本 榮次, 松本 伸示
    2019 年 59 巻 3 号 p. 325-334
    発行日: 2019/03/25
    公開日: 2019/04/12
    ジャーナル フリー

    本研究の目的は,小学校理科授業において対照実験を設定しない検証計画に焦点をあてて,独立変数の操作の前に測定を行う実験手続きを指導するために有効な指導方法を明らかにすることである。本研究では小学校6年生(n=152)を対象に,指導方法の異なる3つの指導群を設定し第6学年「ものの燃え方と空気」の単元において授業実践を通した検討を行った。その結果,実験班で実験の計画を話し合った後に教師がそれを補完する教示を行うという指導方法が,児童による実験手続きの技能面,認知面の理解のいずれにおいても有効であることが明らかになった。また,児童が実験の計画を話し合う場面を設定せずに,教師が実験の手続きとその理由を教示する指導方法は,児童の理解を浅い水準にとどめてしまうことが明らかになった。この結果は,児童が主体的に実験を計画する活動を理科授業において実施することを支持するものである。

  • ―小学校第5学年「植物の発芽と成長」の単元において―
    安部 洋一郎, 山岡 武邦, 高橋 信幸, 松本 伸示
    2019 年 59 巻 3 号 p. 335-343
    発行日: 2019/03/25
    公開日: 2019/04/12
    ジャーナル フリー

    本研究の目的は種子の発芽条件に対する児童の理解を向上させるためにその指導方法に改善を加えることである。事前調査としては小学校第6学年児童(n=162)小学校第5学年児童(n=136)を対象に,水が無い場合にインゲンマメの種子が発芽するか問う質問紙調査を行った。その結果,発芽の学習を終えている児童であっても水が無い例において種子が発芽すると答えるものがいることが明らかになった。そこで本調査として同様の小学校第5学年児童に対し,教科書通りの授業に加えて,オリーブオイル・メタノールを水の代わりに与えて種子が発芽するか調べる実験を用いた追加の授業を行い,児童の理解の変化を調べた。その結果,水以外の液体を用いた発芽実験を扱う授業を行うことで種子の発芽における水の必要性の理解が向上することが明らかになった。

  • ―生徒の科学や理科学習に対する態度に与える効果―
    小川 博士, 髙林 厚志, 池野 弘昭, 竹本 石樹, 平田 豊誠, 松本 伸示
    2019 年 59 巻 3 号 p. 345-356
    発行日: 2019/03/25
    公開日: 2019/04/12
    ジャーナル フリー

    我が国の理科教育では,科学や理科学習に対する態度の低迷が問題となっている。本研究は,実社会・実生活との関連を志向する真正の学習論に着目し,中学校理科において,単元開発及び実践を行い,科学や理科学習に対する態度の向上に有効であるかを明らかにすることを目的とした。この目的を達成するために,中学校第2学年の生徒132人を対象として,「電流と磁界」の単元開発を行い,授業を実施した。学習効果を検証するために,「科学や理科学習に対する態度」に関する質問紙を用いて事前事後調査を行った。また,単元後の生徒の感想記述を分析した。その結果,「科学に関する全般的価値」や「科学に関する個人的価値」などにおいて,事後の平均値の方が事前のそれよりも有意に高かった。また,生徒の感想記述を計量テキスト分析し,コード化した。コード間のJaccard係数を算出したところ,「科学の内容」と「日常生活」や「日常生活」と「有用感」などの関連度が高かった。以上のことから,実社会・実生活との関連を志向する真正の学習論に着目した中学校理科授業が,生徒の科学や理科学習に対する態度の改善に一定の効果があることが明らかとなった。

  • ―児童が作成した情報の信頼度表を基に相互評価する活動を通して―
    後藤 勝洋
    2019 年 59 巻 3 号 p. 357-366
    発行日: 2019/03/25
    公開日: 2019/04/12
    ジャーナル フリー

    本研究では,理科学習において,予想の根拠とする情報を見直した上で,自分や他者の実験の結果・考察をクリティカルに見る活動を取り入れた指導法を考案した。この指導法の効果を検証するために,小学校6年生30名を対象に,「ものの燃え方と空気」の単元の授業実践を行い,小学生のクリティカル・シンキング能力の向上を分析した。実践では,まず,予想の根拠となる日常の情報源を見直し,その信頼度表を児童の話し合いを通じて作成させた。次に,自分の実験の妥当性や,他者の実験結果や考察の妥当性を検討するためのワークシートを開発し,実験後に記入させた。全3回の実験において,各実験ごとのワークシートの記述分析の結果,実験・考察を行うごとに,信頼度の高い情報を基に予想する力や,実験の結果や考察をクリティカルに見る力が高まることが見出された。さらに,質問紙分析により,クリティカル・シンキングの態度的側面の向上も見出された。

  • ―小学校第3学年「かげと太陽」の実践を事例として―
    後藤 大二郎, 和田 一郎
    2019 年 59 巻 3 号 p. 367-377
    発行日: 2019/03/25
    公開日: 2019/04/12
    ジャーナル フリー

    本研究では,対話的な学びの在り方として,子どもが協働的により妥当な考えを構築し,それを学級の文化として定着させ,自らのものとして活用していく様態を明らかにすることを目的とした。Stahl(2000)の協働的知識構築モデルを小学校理科授業に援用し,理科授業を計画・実践した。Stahlの「協働的知識構築(Collaborative Knowledge-Building)」のモデルは,個人の理解と協働的知識構築の2つの分別可能な段階からなる循環的な過程である。このモデルは,それぞれの場面と活動を11のフェーズに分けて示している。実践した授業は,小学校第3学年「かげと太陽」の単元である。このモデルを援用した授業を分析した結果,子どもが協働的知識構築を行い,学級としての「文化的人工物(cultural artifacts)」を生成し,さらにそれを活用して「文化的人工物」を更新していた。また,授業者の支援により各フェーズの移行を促したり,個人の理解と協働的知識構築の過程を往復したりしながら,協働的知識構築モデルが成立していることが明らかになった。

  • ―小学校理科の第6学年「月と太陽」において―
    佐伯 英人, 郡司 浩史
    2019 年 59 巻 3 号 p. 379-391
    発行日: 2019/03/25
    公開日: 2019/04/12
    ジャーナル フリー

    本研究では,まず,教科書に示された「月と太陽」について記載事項を整理した。その結果,児童が野外観察を行う日数は2~3日分と少なく,モデル実験で調べる日数に対応していないこと,また,モデル実験が,データにもとづかず,曖昧に行われていることが明らかになった。このことが,教科書に掲載されているモデル実験の解釈に誤解を生じさせることなり,また,帰納的な授業ができにくいといった課題も生じさせていた。そこで,タブレットPCを使った疑似観察を授業に導入し,授業改善を図った。本研究の目的は,「野外観察後,タブレットPCを使って疑似観察を行い,その結果をもとにモデル実験を行う」という一連の授業を実践し,児童の観察の状況,また,理解の程度をもとに,その有効性を検証することであった。調査・分析した結果,明らかになったことは次の2つである。①野外観察のみでは帰納的な授業はできにくい状況であったが,タブレットPCを使った疑似観察でそれが可能になり,疑似観察の結果をもとに調べるモデル実験を実施することができた。②タブレットPCを使った疑似観察,また,モデル実験が,それぞれ児童の理解の程度を高めることに寄与したことが示唆された。

  • 佐野 嘉昭, 福田 恒康, 遠西 昭寿
    2019 年 59 巻 3 号 p. 393-400
    発行日: 2019/03/25
    公開日: 2019/04/12
    ジャーナル フリー

    クワインは,観察や実験といった我々の経験が審判できるのは個々の理論ではなく,精緻な内部構造をもつ命題のネットワークである理論体系の全体であることを示した(丹治,2009)。そうであれば,学習もこの「理論体系」を単位とする命題のネットワークそのものを対象とするべきである。このとき,このネットワークの範疇をどのように設定するかが問題となる。本研究は,中学校では学年を隔てて指導される「光合成」と「呼吸」を,一連のネットワークとして単元構成を行った実践的研究である。授業では命題のネットワークとしてコンセプトマップを使用した。その結果,ややもすると単なるガス交換として認識されたり,デンプンの本来の役割にまで思慮が及びにくかった光合成や呼吸について,デンプンを介した日光から生命活動に至るエネルギーの流れや,自然界における物質循環,さらには環境保全からESDに至る思考へと発展させることができた。このとき,コンセプトマップの役割は大きかった。

  • 鈴木 康浩, 藤本 義博, 益田 裕充
    2019 年 59 巻 3 号 p. 401-410
    発行日: 2019/03/25
    公開日: 2019/04/12
    ジャーナル フリー

    本研究では,全国学力・学習状況調査と関連付けたアンケートを開発し,それを基に中学校理科教員に意識調査を行い,その結果から理科の指導の実態や課題を明らかにした。意識調査から「適切に観察・実験の計画ができるようにする指導」,「自然の事物・現象から問題を見いだし,適切に課題づくりができるようにする指導」,「多面的,総合的に思考できるようにする指導」,「気象の学習に関する指導」について十分でないことを認識していることが分かった。また,これらは経験年数によらず共通していたが,経験年数が10年未満の教員は,10年以上の教員よりも指導が十分でないことを認識していることがわかった。

  • ―OPPA論を中心として―
    中島 雅子
    2019 年 59 巻 3 号 p. 411-421
    発行日: 2019/03/25
    公開日: 2019/04/12
    ジャーナル フリー

    本稿の目的は,理科教育における授業改善のための教師の自己評価に必要な要素とその構造を明らかにすることにある。自己評価に注目したのは次の理由による。学習・授業の改善が適切に行われるためには,学習者や教師が自身の問題点を自覚する,つまり,自己評価が行われなければ,真の意味での改善は難しいと考えられるからである。さらに,それはどこにどのような問題があるのかが,具体的に把握できなければ日々の実践に生かすのは難しい。本稿では,先行研究を基に,次の3点を中心に議論した。1つは,適切な自己評価が行われるための教師の評価観の問題である。2つめは,育成が難しいとされる自己評価能力の問題である。3つめは,教育評価で資質・能力を育成するという考え方である。これらについて,形成的評価において自己評価を重視する「一枚ポートフォリオ評価(OPPA:One Page Portfolio Assessment)論,以下OPPA論と記す」を提案した堀哲夫の言説を基に検証した。その結果,要素として次の4点を抽出した。第一に,メタ認知を促すための自己評価における問いである。これまで自己評価の問いについてはほとんど議論されてこなかった。第二に,その問いに対する学習者の記述への教師のコメントによるフィードバックの効果である。第三に,その前提としての「学習や指導の機能を持つ評価」という考え方である。第四に,これらの前提にある概念やその形成過程の自覚化という視点である。構造は次の通りである。学習者が「問い」により自身の概念や考え方の形成・変容過程を自覚することで,メタ認知といった資質・能力の育成が促される。それと同時にそれらを教師が確認し,フィードバックすることで授業の何が問題だったのかを具体的に把握できることになることが教師の授業改善,さらには,教育観の変容を促すことになる。学習者の自己評価と教師の自己評価は,この概念形成の自覚化という視点により結びつくことが可能になる。

  • 仲野 純章
    2019 年 59 巻 3 号 p. 423-430
    発行日: 2019/03/25
    公開日: 2019/04/12
    ジャーナル フリー

    本研究では,衝突現象の中でも身近な「球体と壁との非弾性衝突」に関する誤概念について,その抽出と修正方略の検討・実践を試みた。まず,球体の運動方向と壁とのなす角度(衝突角度,はね返り角度),及び球体の速さについて,衝突前後の変化を尋ねる誤概念調査(事前調査)を実施し,当該現象に関する誤概念を抽出した。その結果を踏まえ,誤概念から科学的概念への概念修正を促すべく,誤概念の明確化と誤概念の獲得過程の明確化の両アプローチからなるメタ認知的支援を実施した。誤概念の明確化では,事前調査で問うた状況を再現する実験,すなわち,球体を壁と斜めに非弾性衝突させ,誤概念の反証的事実に直面させる実験を実施した。また,誤概念の獲得過程の明確化には,誤概念獲得に繋がり得る原因事象を想起・議論させる班内討議を実施した。そして,メタ認知的支援実施後の誤概念修正状況を確認するため,事前調査同様の事後,及び遅延調査を実施した。本研究の結果,球体と壁との非弾性衝突に関する考え方として,斜め衝突では「衝突角度とはね返り角度は等しい」とする誤概念を抽出することができた。そして,当該誤概念の原因事象として,学業経験要因,観察経験要因,デジタル視聴経験要因の3要因の存在が示された。また,メタ認知的支援の結果,著しい誤概念修正が達成されることも確認できた。

  • ―タンパク質の検出反応と染色実験―
    二宮 純子, 上野 崇寿, 桑原 眸, 森田 洋
    2019 年 59 巻 3 号 p. 431-441
    発行日: 2019/03/25
    公開日: 2019/04/12
    ジャーナル フリー

    高等学校「化学」の単元で,フィブロインは天然高分子化合物の一例として取り扱われているが,絹フィブロインの性質や反応性に関する化学実験の実践例は報告されていない。そこで,本研究では,50分授業を想定した化学実験を考案した。蚕繭を精練・溶解・透析により調製されたフィブロイン水溶液は,タンパク質の検出実験において標準タンパク質(standard protein)として実験教材に適用できることが確認できた。また,高分子化合物の繊維の判別法である染色実験において,不溶化した再生フィブロイン膜は動物繊維に特有の呈色を示すことを確認した。再生フィブロイン膜は天然繊維の特性をもち,合成繊維と比較する生徒実験の教材として適していることを明らかにした。繭から絹フィブロインを分離・精製し,その物質の化学的性質を検証する一連の実験は,日常生活の中で利用されている物質への関心を高め,科学的に探究するために必要な実験の基本的な技能を習得させる基礎化学実験として適していることが示唆された。また,小・中学校までに学習した「蚕」や「繭」との関連を図ることで,人間生活の中で化学が果たす役割を理解する教材へと展開することができると考えられる。

  • 野原 博人, 田代 晴子, 森本 信也
    2019 年 59 巻 3 号 p. 443-455
    発行日: 2019/03/25
    公開日: 2019/04/12
    ジャーナル フリー

    本研究では,発達の最近接領域によって実現に向かう協働的な問題解決を念頭におき,科学概念構築を促す対話的な理科授業デザインについて検討した。対話を社会的相互作用の過程と捉え,その視点として,Alexander(2005)が示した「対話的な教授の原理」の指摘に着目した。また,対話的な教授の原理を促進する視点として,先行研究における形成的アセスメントに関する論考を援用し,「対話的な教授をアセスメントする視点」を措定した。分析の結果,以下の諸点が明らかとなった。(1)Alexanderの指摘する「対話的教授」に基づく授業デザインは,対話的な授業に有効に機能した。(2)評価する視点として措定した「対話的な教授をアセスメントする視点」は,「対話的な教授の5つの原理」を具現化することへ寄与した。これらの知見は,対話的な理科授業に基づく科学概念構築を促進する視点として援用できる可能があると考えられる。

  • ―小型ガラス器具用の簡易加熱器具の開発―
    畑 宗平
    2019 年 59 巻 3 号 p. 457-465
    発行日: 2019/03/25
    公開日: 2019/04/12
    ジャーナル フリー

    高校化学の授業で加熱操作を必要とする有機化学反応をマイクロスケール実験で行うことは有意義である。しかし,マイクロスケール実験専用のガラス器具と加熱器具の配備は経済的に困難である。そこで,教員がハサミとペンチを用いて短時間で作成できる,液体の加熱を伴うマイクロスケール実験等で使用が可能な,「簡易加熱器具」の開発を検討した。開発に当たっては,①加熱動作が安全で製作費が安価であること。②多種多様な市販のガラス器具に対応できること。③製作工程が簡略であることの3点に留意した。その結果,市販の小型ガラス実験器具を用いた溶液等の加熱実験を安全に行うことができて多様な小型ガラス器具の形状に対応が可能な簡易加熱器具を安価で容易に作製できる方法を開発した。

  • ―理科学習における社会人講師活用の効果の考察を通して―
    濱保 和治, 山崎 敬人, 岡田 大爾
    2019 年 59 巻 3 号 p. 467-475
    発行日: 2019/03/25
    公開日: 2019/04/12
    ジャーナル フリー

    近年,教科を学ぶ意義や有用性についての意識の欠如とキャリア教育の重要性が指摘されている。平成20年9月「中学校学習指導要領解説理科編」においても,「日常生活や社会との関連」について理科で学習することが示され,理科学習でも教科内容との関連において,キャリア教育との関連を意識した指導を行うようになった。しかし,生徒の「日常生活との関連」についての意識は向上しているものの,理科学習の有用性を生徒自身に理解させることはできていない。そこで,大学との連携によって研究者が単元の学習内容に直接関わる授業を行い,社会貢献や職業選択のきっかけや夢などの話題を提供するといった教科学習に組み込んだキャリア教育を行うことで,教科学習の有用性を生徒が実感し,学習内容の深化を図るとともに将来の職業選択の可能性を広げることができると考えて,授業を計画・実施し,その効果を検証した。その結果,理科学習の有用性のうち職業生活への有用性や日常生活への有用性,及び日常生活との関連,学習意欲の向上に効果があることがわかった。

  • ―直線水路型流水実験装置の開発と授業実践を通して―
    水石 正幸, 庭瀬 敬右
    2019 年 59 巻 3 号 p. 477-488
    発行日: 2019/03/25
    公開日: 2019/04/12
    ジャーナル フリー

    小学校理科第5学年では「流水の働き」を含む5つの学習項目で条件制御の能力を育成することが目標とされている。しかしながらこれまでの研究で,「流水の働き」の学習で行われている土で作った坂に水を流す流水実験は,客観性や再現性の低さから条件制御に適しにくいことが指摘されている。本研究は,流水実験の条件制御教材としての問題点を解決するために「直線水路型流水実験装置」を開発し,教材としての有効性を授業実践の分析から確認することを目的とした。開発した教材に対して児童の学習活動を4QS(The Four Question Strategy)の観点から分析を行った結果,条件制御の学習の条件を満たしていることが明らかとなった。また,授業実践後に実施した児童への質問紙調査では,今回開発した「直線水路型流水実験装置」が条件制御の学習に効果があったことが示された。自由記述の回答分析からも,条件制御に関する気づきや考察が行われていたことが明らかとなった。これらの結果から「直線水路型流水実験装置」とその指導法が条件制御を学習する教材として有効であることが示された。

資料論文
  • 西村 一洋
    2019 年 59 巻 3 号 p. 489-497
    発行日: 2019/03/25
    公開日: 2019/04/12
    ジャーナル フリー

    星座早見の地平線は,緯度によって大きく形が異なる。先行研究においては,球面三角法をもとに,天球座標に応用し,任意の緯度による星座早見の地平線の各数値を求めていた。そして,その数値を線で結ぶ手作業が,必要であった。また球面三角法は,授業に利用しにくいという課題があった。それを克服するために,できるだけ簡単に内容を見通せるように資料として示した。そこで,本研究の目的を「緯度によって異なる星座早見の地平線の軌跡を,表計算ソフトによって描く資料を示す。」とした。本稿では,先行研究から,地平線の軌跡を描ける過程を示している。

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