本研究は,イギリス初等科学の化学的領域における概念形成について検討するために,科学教科書の化学的領域に関する内容の構成について分析した。その結果,次の4点が明らかとなった。(1)「物質の性質」から「粒子の保存性」,「粒子の結合」,「粒子のもつエネルギー」及び「粒子の存在」の粒子における4つの概念等へと接続が図られている。(2)「粒子の存在」では,粒子の存在を明示的にモデルで提示している。(3)「物質の性質」や「粒子のもつエネルギー」では,スパイラルカリキュラムとなっている。(4)「粒子の結合」と「粒子の保存性」では,物質の変化に着目した取り扱いになっている。