本研究では,「理論」の構築過程に基づく学習指導が認知欲求の育成に有効か否かを明らかにすることを目的とした。このために,小学校第5学年「もののとけ方」において「理論」の構築過程に基づく学習指導による授業実践を行った。その結果,多くの児童が学習の中で,自然事象を説明したり,予測したり,自らが設定した仮説を検証したりする活動を楽しんだと判断できる記述をしていたこと,質問紙調査において認知欲求得点の平均値が向上していたと判断できることから,「理論」の構築過程に基づく学習指導が認知欲求の育成に有効であると判断した。