理科教育学研究
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総説論文
アーギュメントを理科授業に導入することに対する教師の信念に影響する要因の検討
―McNeillらの研究に着目して―
神山 真一
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2020 年 61 巻 2 号 p. 193-205

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抄録

本研究の目的は,アーギュメントを理科授業に導入することに対する教師の信念を研究しているMcNeillらの論文を分析してアーギュメント指導に対する信念に影響する要因を検討し,国内の理科教育におけるアーギュメント教師教育に生かす知見を見出すことである。検討した論文は,Pimentel & McNeill(2013),Katsh-Singer, McNeill, & Loper(2016),McNeill, Katsh-Singer, González-Howard, & Loper(2016)の3本であった。本研究におけるアーギュメント指導に対する教師の信念は,Katsh-Singer et al.(2016)の研究で見出した7つのカテゴリーを援用して議論する。また,本研究における信念に影響する要因とは,Katsh-Singer et al.(2016)の研究で見出した7つのカテゴリーに基づく信念を強くもつ要因,あるいは,信念を強くもてない要因を指す。各論文に記された対象者への質問紙調査,インタビュー結果,考察を分析して検討した結果,①生徒の経験,学力,意識,家庭環境を含めた背景 ②教師の授業,指導,評価に関する価値観 ③教師のアーギュメントを指導する経験が,アーギュメント指導に対する教師の信念に影響を与えていることが明らかになった。今後の課題は,日本の理科教育にアーギュメントを導入するための教師教育研究を発展させていくことである。そのために,研究の対象を小学校教員や教員志望の大学生に広げて,本研究で見出した信念に影響を与える要因と比較して調査する必要がある。

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© 2020 日本理科教育学会
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