本研究の主目的は,心臓の機能に関する小学校第5学年の認識状態を把握することにある。得られた主な知見は,以下の通りである。①非科学的な回答をせずに心臓の機能について科学的に正しく回答(「心臓の拍動」,「血液の流出」,及び「血液の流入」に関する3種類の命題を回答)した児童は5%未満であったこと。②心臓の機能に関する児童の回答は多様であり,副次的な回答は計4類型,及び非科学的な回答は計8類型にそれぞれ大別されたこと。③これらの調査結果の分析等に基づきながら,心臓の機能の認識達成に不可欠な学習指導方策構築のための視点について検討を加えた。