理科教育学研究
Online ISSN : 2187-509X
Print ISSN : 1345-2614
ISSN-L : 1345-2614
原著論文
中学校理科の観察・実験等における「問い」の分類とその特徴
―Y社の2011年と2020年の検定済教科書を比較して―
山田 健人本田 勇輝木原 義季河本 康介山田 貴之
著者情報
ジャーナル フリー

2022 年 63 巻 1 号 p. 189-204

詳細
抄録

本研究では,Y社の2020年検定済中学校理科教科書に掲載されている観察・実験等の「問い」を対象に,関根ら(2012)に基づいて「問い」の分類を行い,2011年検定済中学校理科教科書との比較から「問い」の特徴を明らかにすることを第一の目的とした。また,山田ら(2021)の3つの観点で整理された特徴的な技能との関連性について検討することで,「問い」の特徴を明らかにすることを第二の目的とした。分析の結果,以下の2点について明らかになった。(1)「どのように+動詞(how+動詞)」や「どのような+名詞(how/what+名詞)」,「何(what)」といった検証可能な「問い」は増加している反面,「はい・いいえ(yes/no)」のような検証が難しい「問い」は減少していることが明らかになった。(2)関係性や規則性を見いだすための「問い」や「何(what)」では,「定量的」や「仮説設定」が多く含まれている反面,手段としての「問い」や観察・実験等もしくは作業等を促す「問い」では,「仮説設定」や「変数制御」が少ないことが明らかになった。

著者関連情報
© 2022 日本理科教育学会
前の記事 次の記事
feedback
Top