理科教育学研究
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総説論文
高等学校理科系総合科目における「教科「理科」関連学会協議会」提言の変遷から見た課題とカリキュラム研究の必要性
亀田 直記今井 泉今井 章人都築 功
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2024 年 65 巻 2 号 p. 249-262

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抄録

これまで教科「理科」関連学会協議会(CSERS)が高等学校必修理科総合科目の設定を提言してきた。それにもかかわらず,現行の「科学と人間生活」を除いて学習指導要領の改訂の度に毎回異なる名称・内容の総合科目が設置されてきた。しかし,近年,必修理科総合科目に関する議論がまとめられた形跡がない。そこで,本研究では,「なぜ必修総合科目が実現しないのか。また,実現しても定着しないのか。その理由はCSERS関連論文などを探ることで明らかになるのではないか」という研究課題から,これまでにCSERSを構成する各学会の学術雑誌に掲載された提言を調査・整理し,考察した。その結果,(1)CSERSが目指した「必修と総合化」の理念が時間を経てあいまいになっていたこと,(2)意見を集約し必修理科総合科目設置を提言した学会があった一方で,CSERS全体の継続した動きにはならなかったこと,(3)本理科教育学会においては,高校理科総合科目はもとより,「科学と人間生活」の学術的背景が議論されていないこと,(4)総合科目が必修科目として定着しなかった理由の一端として目的・目標に関する議論が十分でなかったことなど,(5)必修理科総合科目に関係する大学入試に関する議論は個人レベルの提案に留まり,組織としての提言にできなかったこと,が課題であることがわかった。これらの課題の解決に向けて,必修理科総合科目に関するカリキュラム研究が必要であることが明らかになった。

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