2025 年 66 巻 1 号 p. 227-236
本研究の目的は,小学校理科にESDやSDGsと関連する授業を開発することで,ESDやSDGsに関わる児童の意識を向上させることである。過去の実践が少ない「粒子分野」について,小学校第6学年理科「燃焼の仕組み」の単元の終わりに地球温暖化問題を取り上げる授業を教材とともに開発した。本授業を公立小学校第6学年(2学級58名)で実践した結果,開発した授業は,児童に地球温暖化問題が自分の生活と関連していると認識させるとともに,持続可能な社会の創り手を目指し,二酸化炭素の排出を抑えるために自分にできる取り組みについて知り考えを深める効果があることが示された。また,本研究成果について学校関係者にアンケート調査を行った結果,小学校理科においてESDやSDGsに関する実践の普及に貢献するものであると評価された。