2017 年 32 巻 1 号 p. 76-81
48歳,男性。幼少期より右側腹部に黒色斑を認め,徐々に結節を形成した。2013年7月当科初診となった。初診時右側腹部に潰瘍を伴う黒色結節を認め,腫大した右腋窩リンパ節を触知した。原発巣切除,右腋窩リンパ節郭清を施行し術後診断は悪性黒色腫pT4bN3M0 stage IIICとなった。転移リンパ節に被膜外浸潤を認め,右腋窩部へ術後放射線療法を行った。2015年4月施行したPETにて肺・骨・胆囊に多発転移を認めた。BRAF変異陽性でありベムラフェニブ内服を開始した。痛風腎による腎機能障害が増悪し,補液やベムラフェニブの減量や休止再開を繰り返したが,転移巣へ一定の臨床効果を得た。9月に意識障害が出現しCT・MRIで多発脳転移を認めた。ベムラフェニブを前後1.5日ずつ休薬して定位放射線照射(30 Gy/3 Fr)を施行した。意識障害は一時的に改善し,急性放射線皮膚炎やCT上明らかな頭蓋内の異常を認めなかった。