2019 年 34 巻 1 号 p. 63-68
59歳,男性。当科初診の2年前から顔面の瘙痒と紅斑あり,顔面全体に拡大したため,近医を受診。皮膚生検を含め精査されたが確定診断はつかず,ステロイドやシクロスポリン,ジアフェニルスルホンなどの内服で治療されたが難治であり,当科へ紹介となった。初診時,顔面全体に脳回転状の浸潤の強い局面が形成され,獅子様顔貌を呈し,禿頭と頸部に丘疹を認めた。前額部から行った皮膚生検の病理組織学的検査では,毛包周囲に密なリンパ球浸潤,毛包内にムチン沈着と中型から大型の異型リンパ球浸潤を認めた。浸潤細胞はCD3,CD4陽性で,CD8,CD20は陰性,T細胞受容体Cβ1,Jγ鎖の遺伝子再構築は認めなかった。CTで頭頸部の多発リンパ節腫脹を認め,毛包向性菌状息肉症Stage IIBと診断。ボリノスタットとトモセラピーによる電子線照射を併用し治療開始。ボリノスタット開始10ヵ月後に脳梗塞を発症したため中止し,ベキサロテンに変更し部分奏効を維持している。