Studies in Language Sciences
Online ISSN : 2435-9955
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処理可能性理論に基づいた第二言語としての日本語の受益文の発達順序に関する一考察:「多言語母語の日本語学習者横断コーパス(International Corpus of Japanese as a Second Language, I-JAS)」から
下駄 真奈美
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ジャーナル オープンアクセス

2023 年 21 巻 1 号 p. 25-39

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抄録

本研究は日本語の受益文であるテアゲル・テクレル・テモラウの発達順序について処理可能性理論(PT)の仮説の1つであるLexical Mapping Hypothesis(LMH)に基づいて予測と検証を行った。まず、LMHによる受益文の統語構造の分析から、テアゲルとテクレルは統語構造のマッピングが同じであること、そして、テモラウはテアゲル・テクレルに比べマッピングが複雑であるため、学習者の処理負担が高いことが予測された。「多言語母語の日本語学習者横断コーパス(I-JAS)」に収められた100名の言語資料を用い、テアゲル・テクレル・テモラウの発達順序の検証を行った。PTで採用されている分布分析の方法であるImplicational Scalingを用いて分析した結果、受益文の発達順序は[テアゲル・テクレル>テモラウ]で含意することが検証された(Cscal=.89)。

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© 2023 言語科学会
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