抄録
ランニングシューズの基本的機能の中から,最も重要な機能の一つである衝撃緩衝性を例に取り,従来の機械試験から得られた加速度ピークによる衝撃緩衝性評価における問題点を述べると共に,衝撃負荷時に発生する人体の応答に高速フーリエ変換を施し,得られたパワースペクトルを基にした新たな衝撃緩衝性の定量化手法を提案した.新たな手法によって算出された衝撃緩衝性評価値Cushioning Parameterと官能検査との比較から,本手法の妥当性を評価した.また,有限要素法を用いたCushioning Parameterの予測手法を確立し,ソールの材料変化が衝撃緩衝性に与える影響について論じた.