バイオメカニズム学会誌
Print ISSN : 0285-0885
解説
走運動の始まり : 歩行から走運動への動作パターンの変容(<特集>乳幼児の動きの発達)
宮丸 凱史加藤 謙一
著者情報
ジャーナル フリー

2002 年 26 巻 1 号 p. 22-26

詳細
抄録
ヒトの歩行獲得までの過程は明確にされているが,歩行から走運動出現までの移動運動形態に関する研究はみられない.そこで,生後12カ月から18カ月の彼験児を対象に歩行から走運動出現までの動作パターンの変容を縦断的にとらえた結果,生後17カ月の子どもの走運動が確認できた.また,歩行に続いてまずリーピングが獲得され,その後走運動が出現することが明確になった.走運動は既得の運動(歩行)からの「自発的分化」とみられ,その移行過程における四肢の動作パターンには違いはみられなかった.したがって,走運動は歩行と同様の動作パターンを使っている間に生じる出力(鉛直地面反力)のスケールアップによると推察された.
著者関連情報
© 2002 バイオメカニズム学会
前の記事 次の記事
feedback
Top