バイオメカニズム学会誌
Print ISSN : 0285-0885
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バイオメカニクスデータの解釈をいかに学生に教えるか(2)
江原 義弘
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2006 年 30 巻 2 号 p. 93-97

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抄録

段階的にやさしく解釈しやすいデータから提示して解釈のセンスを磨く.そのため被験者は中肉中背の健常者とする.動作は左右対称な全身運動で,主な動きが矢状面であるものを選択する.まずはスクワット動作,順次,椅子からの立ち上がり,歩き始め,階段昇りなどに進むのが良い.動作はメリハリをつけて行い,前後に直立静止の姿勢の期間を含めると良い.計測は左右同時計測を行う.計算された結果は,スティックピクチャも含め全てをグラフ化して提示する.解釈する際の一般的な手順は,1)まず全身の動きを観察する,2)次に重心に着目する,3)床反力をみる,4)関節モーメントをみる,5)関節モーメントのパワーを確認する.異なる動作に共通の力学現象が横たわっていることに気づくよう誘導する.

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© 2006 バイオメカニズム学会
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