抄録
最近の研究から, 時計遺伝子のフィードバックループは睡眠ばかりか, 脂質代謝にも影響を与えることが明らかになってきた。そこでこの総説では, コレステロールや食事がどのように時計遺伝子の作るフィードバックループ (RORE, E-box, D-box, CRE, PPRE等のシスターゲット配列を鑑み) に影響を与えるのかを解説する。さらに時計遺伝子VrilleのホモログE4BP4/NFil3が食事に対する時刻合わせや絶食誘導性ホルモンFGF21の早朝発現に重要であることも述べる。最後に中心的な時計遺伝子Period2 (Per2) の転写翻訳後修飾の最近の進歩について, Mybbplaやβ-TrCP1/FWD1との関係について述べる。