バイオメカニズム学会誌
Print ISSN : 0285-0885
解説
歩行現象の力学原理から見たヒトの歩行
佐野 明人池俣 吉人藤本 英雄
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2006 年 30 巻 3 号 p. 119-122

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抄録

受動歩行は,歩行機のもつダイナミクスと環境との相互作用のみによって,理想とする自然な歩容を形成する.特に,安定したリミットサイクルが存在するという重要な特徴をもつ.状態がリミットサイクル上を遷移する限り歩行は安定となる.歩行は物理現象そのものであり,ヒトは歩行現象を移動原理として巧く使っているのではないか.本稿では,歩ける原理として,受動歩行の平衡点の力学的構造ならびに安定メカニズムを紹介し,この力学原理からヒトの歩行を概観する.

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© 2006 バイオメカニズム学会
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