バイオメカニズム学会誌
Print ISSN : 0285-0885
解説
マッスルスーツⓇと重力シミュレータとしての可能性
小林 宏
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2010 年 34 巻 1 号 p. 23-28

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抄録

機械技術の発達は,人間を極度の肉体的負担から解放した.一方で,農林水産業,製造業,建設業,介護など,幅広い分野において,依然として機械化困難な重労働作業が残されている.このような作業の負担を軽減するために,著者は着用型の筋力補助装置:マッスルスーツⓇの開発を行っている.マッスルスーツは,着用しても人間の動きを妨げない外骨格型の構造物の関節を,軽量,安価,高出力のMcKibben型人工筋肉で動かすことにより着用者の動きを補助するものであり,現在までに誰でもすぐに着用して効果を確認できるほどに完成度は上がっている.本稿では,マッスルスーツによる静的な筋力補助効果を示し,筋力を補助したり動作を妨げたりすることで重力シミュレータとして使えることを示す.

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© 2010 バイオメカニズム学会
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