抄録
脳卒中やパーキンソン病など,運動障害をきたす脳神経疾患では種々の筋トーヌス異常がみられるが,それらの神経学的所見は医師の経験に基づく主観的判断によって得られる.著者らはこれまでに,パーキンソン病における筋トーヌス異常である筋強剛をダイナミックシステム同定法により解析する手法を開発し,筋強剛の構成要素を抽出することに成功した.この手法を用いることで,最終的には脳神経疾患におけるすべての筋トーヌス異常を一つの数理モデルで記述することを目的としている.また実用化の面では「神経疾患の聴診器」として医療機関,リハビリ施設,健康診断,一般家庭など幅広い場面で利用されることを目指している.