バイオメカニズム学会誌
Print ISSN : 0285-0885
解説
ヒト静止立位制御機能の定量化と制御理論モデルに基づくその解釈
野村 泰伸野村 国彦深田 慶浅井 義之佐古田 三郎
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2010 年 34 巻 2 号 p. 116-123

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抄録
ヒト静止立位は足関節筋のトーヌスによって決まる筋の高い剛性とアキレス腱の高い剛性によって漸近安定化されており,脳神経系による高度な神経制御の役割は限定的であると考えられてきた.これは静止立位姿勢のスティフネス制御仮説と呼ばれ,長い間支持されてきた.本稿では,まずスティフネス制御仮説に代わる静止立位制御の新しい仮説である間欠制御仮説について述べる.間欠制御仮説では,脳神経系は姿勢の微小な変化に対して,予測的かつ間欠的に姿勢制御に介入し,平衡立位姿勢を漸近安定化することなく,系の状態を平衡立位周辺の有界領域に閉じこめることで立位を達成すると考える.次にヒト健常被験者およびパーキンソン病患者の静止立位時の重心動揺をスティッフネス制御モデルおよび間欠制御モデルで再現し,モデルに含まれる制御パラメータ値と重心動揺のパワースペクトルの形状の間の対応関係に基づき,各被験者の姿勢機能を定量化する試みについて述べる.
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© 2010 バイオメカニズム学会
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