抄録
本研究は, 幼児における走動作の発達過程を検討することを目的とした.幼稚園児(102 名,71.2 ± 6.6 ヵ月齢)及び小学生(18 名,87.8 ± 3.7 ヵ月齢)を対象に,25m 走の所要時間・平均走速度・ピッチ・歩幅について,1 年間の期間をおい
て2 回測定して比較・検討した.幼児において,歩幅の増大が走速度の経年的増大の要因であるとされている.しかし,偏相関分析の結果,ピッチ変化率と平均走速度変化率との間に高い有意な相関がみられた.このことから,幼児において走速度の増大は,歩幅の増大だけでなくピッチの増大にも起因することが示唆された.さらに,月齢が高くなると,平均走速度変化率・ピッチ変化率・歩幅変化率のばらつきが小さくなり,高月齢組の幼児において,基本的な走運動形態の獲得が示唆された.