近年,ロボティクスを採用した様々な歩行アシスト機器が開発され,医療や介護などの現場において既に実用化されている.機器の形態やアシストの方法など,現在では様々な種類が存在するが,これらすべての先駆けとなったのは,歩行研究において著名なスイス・Balgrist 大学の研究グループによって開発されたLokomat だろう.本稿では,Lokomat の仕様や特性に見る,ロボティクスを用いた歩行アシスト機器を使用する意義や目的,さらには今後の課題について,近年明らかとなってきた生理学的知見なども交えて議論したい.