バイオメカニズム学会誌
Print ISSN : 0285-0885
研究
肩関節筋骨格モデルを用いた腱板断裂時における上腕挙上筋力の推定
木下 直己林 豊彦田中 洋二宮 裕樹駒井 正彦信原 克哉
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2014 年 38 巻 2 号 p. 143-149

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抄録

肩の疾患のひとつに腱板断裂があり,それは肩の筋群の筋力を変化させるといわれている.しかし,実際の変化は不明な点が多いため,臨床ではその解明が強く求められている.本研究の目的は,健常時および腱板断裂時における肩関節の筋力を筋骨格モデルから推定することである.肩関節筋骨格モデルは,次の3 つの要素からなる:1)上腕骨,肩甲骨,鎖骨を含む骨モデル;2)8 つの肩関節周囲筋からなる筋モデル;3)肩甲骨面に沿った挙上の6 自由度運動モデル.本研究では,棘上筋腱および棘下筋腱の断裂を仮定し,組み合わせが異なる8 つの断裂モデルおよび健常モデルを作成した.シミュレーション結果から,断裂数の多いモデルでは,三角筋前部と中部の筋力が増加し,肩甲下筋の筋力が減少した.その結果として関節周りのインピーダンスも低下した.これらの結果は,臨床知見ともよく一致していた.

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© 2014 バイオメカニズム学会
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