バイオメカニズム学会誌
Print ISSN : 0285-0885
解説
シルバーカーと歩行車の製品開発プロセス
新井 文武
著者情報
ジャーナル フリー

2015 年 39 巻 3 号 p. 151-154

詳細
抄録
シルバーカーや歩行車に代表される歩行支援用具の製品開発プロセスについて,福祉用具総合メーカーの立場から最近のトレンドを含めて解説する.シルバーカーは歩行時のバランスを保持することで自立歩行での行動範囲を広げることを目指した製品であるため,利用者の目的をサポートする手段が多くあり,製品デザインの種類も豊富である.一方,歩行器(歩行車)は足腰の負担軽減が主な利用目的であるため,一般に製品デザインの種類は多くなく,利用者が体重を預けながら歩行ができる構造が必要となる.シルバーカーや歩行器(歩行車)の新製品を開発する際には,市場調査・ユーザ調査から量産までの8 ステップがあるが,特に重要なのが第3 ステップのニーズの最適化調査である.最近は利用者のニーズが具体化かつ多様化しているため,ニーズの最適化調査などで利用者のニーズを的確に把握することが必要になっている.最後に,新しい駐車ロック機能を組み込んだ軽量スリムな歩行車の新製品開発の事例を紹介する.
著者関連情報
前の記事 次の記事
feedback
Top