バイオメカニズム学会誌
Print ISSN : 0285-0885
解説
パッシブロボティクス総論
平田 泰久
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2017 年 41 巻 2 号 p. 45-52

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抄録
本稿では,パッシブロボティクスと呼ばれる概念に基づいて研究開発されてきた非駆動型ロボットを紹介する.非駆動 型ロボットとは,ロボットに加えられる外力に対して本質的に受動的な運動特性を持つように設計されたシステムであり,この本質的受動特性を有しながら様々な支援機能を実現するものである.人間支援ロボットを想定した場合にロボットが本質的受動特性を持つことは,ロボットが人間の操作力によってのみ駆動されることを意味し,サーボモータ等で能動的に駆動されるロボットと比較して,非常に高い安全性を持たせることが可能となる.また,基本的には人間の操作力によって動かされ,必要なときのみ何らかのアクチュエータによって運動制御されることから,その消費電力も非常に低くなる.高い安全性確保と低消費電力の実現は,人間支援ロボットの実用化を加速させるものであると期待する.本稿では,著者らが提案してきたサーボブレーキを用いた非駆動型ロボットを紹介し,ブレーキ制御可能領域と呼ばれる運動制御条件に注目した制御手法を紹介する.また,ブレーキ制御技術に限定しない新しい非駆動型ロボットを紹介するとともに今後の展望について述べる.
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© 2017 バイオメカニズム学会
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