抄録
超高齢社会に突入した我が国において,リハビリテーション機器の開発は急務であるが,事業化に成功した例は極めて
少ない.IVES(Integrated Volitional control Electrical Stimulation:随意運動介助電気刺激)用装置は,1997 年に慶應義塾大学月が瀬リハビリテーションセンターにて開発し,神経科学研究や臨床研究を積み上げながら改良を加え,複数企業への技術移転の後,純国産医療機器として薬機法承認・実用化を 2008 年に達成した.現在は,日本の医療機器メーカー 3 社から事業化されており,いずれも我が国の保険診療の中で広く活用されている.本稿においては,稀少な大学発国産医療機器開発の成功事例として,携帯型 IVES 用装置の誕生から事業化に至るまでの経緯を時系列に沿って述べる.