抄録
非侵襲的な神経刺激により中枢神経系の可塑性を促進させるニューロモジュレーション技術の適用がリハビリテーション分野で研究が進んでいる.本稿では,このニューロモジュレーション技術をスポーツパフォーマンス向上に活用するための展望を行う.ニューロモジュレーションを行うにあたり,元々の神経状態や目標の神経状態の把握が重要であるため,研究が進んでいるリハビリテーション分野における障がい者の神経系の特徴,およびそれに基づくニューロモジュレーション技術に関する知見をまず紹介する.そのうえで,健常者・障がい者アスリートの神経系の特徴とスポーツパフォーマンス向上のためのニューロモジュレーション研究の動向を紹介する.