2001 年 35 巻 2 号 p. 38-47
情報技術は近年多面性を増しており,その特性の認識と利用のされ方によって同じ技術であっても組織に異なる影響を与える.情報技術の導入は,組織の分化と統合のあり方を再認識する契機になり,ある程度操作可能にする手段となりうる.
本稿では,情報技術が組織の分化と統合に与える影響には,プロセスのアーキテクチャ(人間の働きかけによってひきおこされる情報,物質,エネルギーの形態変化の相互依存性)と部門,企業といった組織単位群のかかわり方によって4つのパターンが見られることを,製品開発における3次元CADなどの情報技術利用についての事例研究によって示す.