2019 年 53 巻 1 号 p. 37-52
本研究は,資源制約への対応を説明するこれまでのブリコラージュ理論を,資源そのものを解剖学的に細分化する視点と資源間関係の視点から修正し,従来は資源制約と認識される状況が実は競争優位の源泉となりうる場合があることを示す.解剖学的視点とは,既存のリソース・ベースト・ビュー(以下RBV)研究が想定する資源単位をさらに細分化することを意味し,複数の文脈からそれら個々の構成要素を再評価・認識していくことにより,これまでの暗黙的前提や資源単位の設定レベルでは見過ごされてきた潜在的かつ有力な資源の構成要素を再認識することが可能になる.また資源間関係の視点とは,ある資源において制約の源泉となる構成要素を他資源の構成要素と結合させることで代替・補完するという資源間の動学的関係の考察を意味する.
このような新たな修正を既存のブリコラージュ理論に施し,経営資源分析の新たな視座を示すことが本論の狙いである.