社会政策
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地方自治体幹部職員のキャリアパスにおける男女格差
――政令指定都市A市の事例から――
佐藤 直子
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2022 年 14 巻 2 号 p. 93-105

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抄録

 政令指定都市A市で局長級を経験した一般事務職のキャリアパスを具体的な職務内容から分析し,男女比較を行った。

 はじめに,政令指定都市となってからの約50年間で,事務分掌条例で規定する「局及び本部」の局長経験者は一般事務職の女性職員ではいないことが確認された。

 このため,「局及び本部」の長に最も類似した「区長」を経験した女性職員全員と,本庁の局長を経験した男性一般事務職など11名に半構造化面接によるヒアリング調査を実施し分析したところ,女性職員は,キャリアの前半期に「行政の意思決定に必要な判断力」を獲得しがたい職務内容を割り振られており,男性職員とはキャリアの初期段階から明確な差があることが確認された。また,入庁から20~25年経過後に突然自治体独自の意思決定を行う職場に異動となった場合,主に人的ネットワークを活用し自らの経験不足を補うことで業務を遂行している状況が確認された。

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