ケアの市場化は、低賃金で働くケア労働者を増加させ、ケア労働の社会的評価を低下させている。市場では、利用者は自らのニーズを表明しサービスを選択できる個人であり、ケア労働は業務を外部化される単純労働とみなされる。これに対して、フェミニストのケア論は、市場モデルのケアへの適用を批判し、「ニーズ応答性」「関係性の発展」「ケアの合理性」という概念を展開してきた。またケア関係は、福祉国家の資源や規範といったケアの文脈の中に埋め込まれており、権力や不平等をはらんでいることが指摘される。本稿では、フェミニズムのケア論に障害者介助論や社会政策における「生活モデル」の枠組みを接続し、「参加協働型ケアモデル」を検討する。ニーズの決定、ケアへの資源配分の決定過程に、ケアされる側とケアする側の双方が参加し、家族とケアする側の協働のための時間と裁量が保障されるようなケアシステムのあり方を展望する。