UAゼンセンは日本最大の産業別労働組合であり、これまで組織を拡大し続けてきた。本稿では、全繊(ゼンセン)において実際に組織拡大で大きな実績をあげたオルガナイザー個人に注目し、彼らのオーラル・ヒストリーを用いて、彼らがいかに育成され、どのような思想や行動パターンをもっていたのかを分析した。明らかになったことは第一に、全繊(ゼンセン)におけるオルガナイザー育成の仕組み(OJT)は、1965~75年頃に徐々に整備された。第二に、分析対象とした3名のオルガナイザーはプロ意識をもって組織拡大に邁進し、労働条件が良くなくとも労働運動家としての誇りをもっていた。第三に、全繊(ゼンセン)では組織拡大の圧力が強く、彼らは組織拡大で成果をあげることを第一に行動した。ただし第四に、彼らは経営者を説得して労働組合を作る方法をとることが多かったが、それは全繊(ゼンセン)が経営者に恐れられていたからこそ可能だった。