p. 174-178
リスクの特定では, 通常, チェックリストやプレインストーミングによって特定作業を実施する. しかし, プロジェクトには独自性があり, それぞれ個性を持っているため, チェックリストによる特定だけでは, 個性に対応することは難しい. また, プレインストーミングもメンバーの経験に依存しているため, リスクの見落としが生じる危険性がある. そこで, プロジェクト構成要素とりスクの原因分類によるマトリックス表を用いて, リスクを連想し, 特定する方法について研究を実施した. プロジェクト構成要素とりスクの原因分類による方法は, "もれ"が少なく, また, 前例(経験)の無いプロジェクトにおいてもリスクの特定が可能であるという特徴がある. そして, 「学会の研究発表大会において発表を行う」ことを一つのプロジェクトと考え, この方法を用いてリスクの特定作業を試行した.