システム農学
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青果物市況情報データベースNAPASSの開発とその利用方法(第1報)
-システムの基本構造と評価-
南石 晃明
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ジャーナル オープンアクセス

1991 年 7 巻 2 号 p. 24-36

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抄録

農水省の通信システムを利用して収集・編集・配信がなされている膨大な日別青果物市況情報の蓄積・検索・加工を可能にするため、データベース化に必要な基本技術を開発し、これに基づいて1977年1月から1990年12月までの14年間の青果物市況情報のべ980万日分をデータベース化した。本データベースは、この期間を通すと、全国77卸売市場の野菜55品日、果実68品目・品種以上の日別・産地(47都道府県および23の外国)別の市況情報(入荷量、価格)を含んでいる。基本技術は、①素データを対象ホスト機種のコードに変換するコード変換技術、②大規模なデータを効率的に蓄積するデータ圧縮技術、③大規模なデータにできるだけ効率的にアクセスできるファイル管理技術、④素データに含まれない情報を付加するデータ加工技術、⑤パソコンと対象ホスト機とのネットワー夕化技術、⑥検索・転送データのパソコンでの利用技術からなっている。これらの技術によって、5.4GBの素データを570MBに圧縮し(10.7%)、通常のワークステーション上に効率的にデータベースを構築し、パソコンから利用することが可能となった。また、本データベースの性能を、①検索時間、②ネットワーク化の方式、③機能、④移植性の面から評価し、研究支援システムとして有効であることを明らかにした。

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© 1991 システム農学会
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