抄録
本研究は, 日本とシンガポールの技術開発に関する合同プロジェクトにおけるコミュニケーションマネジメントについて, その問題点を明らかにし, その解決策を探ったものである. プロジェクトでは, 参加者のプロトコルの相違, プロジェクト初期段階の遅れが指摘された, この背景としてコミュニケーションツールの利用方法とリーダシップ行動の相違があると考えられた. さらに, リーダシップ行動についてPM理論にもとづいた考察を行った. ここから, 事例における日本のリーダシップ行動は集団維持的行動が多く, シンガポールでは目標達成行動が多いことが分かった. アプリケーション開発型のプロジェクトでは, メンバに対して積極的に目標を提示する目標達成行動型リーダ(Pリーダ)がプロジェクトにはより望ましいことが示唆された.