抄録
優れたPMを育成することでプロジェクトを成功に導くことはできる.しかし,現実には失敗プロジェクトが依然として後を絶たない.その失敗の原因の全てがPMの育成で解決されるとは限らない.PMは万能ではなく,いろいろな問題に対してはPMを含む組織として,プロジェクトを成功に導く仕掛けが必要である.プロジェクトマネジメントオフィスは,PMを支援しつつ,組織的としてプロジェクトにおける最終的な意思決定を行うことになる.このため,その意思決定の質がプロジェクトの行方を左右することになる.本論文では,プロジェクトマネジメント支援組織が主体となるべき問題領域における,より良い意思決定に関して実証的に考察する。良い意思決定とは質が高くかつスピーディになされる意思決定であり,良い意思決定を行う為のプロセスや阻害要因の除去について具体的に検討する.