抄録
組込みシステム開発は高度化の一途をたどっており,生産性を高め,品質向上を図るためモデルベース・システムズエンジニアリング(MBSE)が注目されている.組込みシステムの設計コンテスト(飛行船ロボコン)への学生チームとしての出場にあたり,組込みシステムの設計品質向上を目的としてMBSEの適用に挑戦した.プロジェクトの成功を期するため,プロジェクトマネジメントを実施し,学生としてのリーダーシップの実践とリスクマネジメントの評価を行った.プロジェクトメンバーの学生間でのリーダーシップ評価の結果,学生の特徴として,技術課題解決でのリーダーシップが高く評価されること,自己の作業に集中するあまり,他人の緊張度やモチベーションのコントロールが不十分なことなどが抽出された.また,リスクマネジメントでは,個々人が識別し登録したリスクへの共通認識を得ることが容易ではないこと,また,監視コントロールプロセス群での活動に課題があることがわかった.なお,飛行船ロボコンでは,システム設計と競技の総合部門で優秀賞を獲得した.