抄録
長引く不況下において,企業の普遍的かつ主要な課題であるコスト競争力強化へ貢献することが,システム部門には一層求められている.システム開発において,競争力のある価格と工期を実現するために,海外のオフショア人材の活用が一般化してきた.しかし,文化及び社会制度の相違や,言語や風習の違いによる意思疎通も容易ではなく,品質確保のための慎重な対応も求められている.本論文では,オフショア開発の課題を踏まえ,システム開発部門が何を求めているかを整理し,国内地方に所在する地域開発センターが海外要員を活用した実例を参照し,オンサイト/ニアショア/オフショアのそれぞれの特性を生かすことにより品質とコストの最適化を目指したケーパビリティモデルを提案する.