抄録
2008年度に日本版SOX法(J-SOX法)が適用開始となり,IT全般統制(IT-GC)の対応として必要なルールの整備や文書化,課題等に継続的に取り組み,統制の「定着化」は達成した.次のステップとして,求められる統制の品質を維持しながら対応の負荷を軽減する「効率化」により,更なるコスト削減を進めていくことが課題である.そこで,IT統制推進部門によるIT-GCの効率化に向けた取り組みとして,コントロールの体系化,コントロールの共通化,キーコントロールの見直し,文書の改善を提案する.これらを実施した結果,IT-GC対象システムのキーコントロール数を約22%削減し,監査対応稼働を約55%削減した.