抄録
SiC パワーデバイス電極用 Ni シリサイド膜、及びレーザーダイオード用の GaAs 基板上 InGaP 膜の XAFS 解析を行い、それぞれ、アニール用レーザーパワー変化時の Ni 原子、及び Zn 拡散用加熱条件変化時の Ga 原子周りの局所構造変化を調査した。その結果、Ni シリサイド膜ではレーザーパワーを高くするにつれて、膜組成が特異な傾向なく Si リッチになっていくことを示す結果が得られ、レーザーパワー条件最適化は密着性等のマクロな特性にのみ着目して進めれば良いことが分かった。GaAs 基板上 InGaP 膜については、今回の実験条件では GaAs 基板からの信号が支配的であり、InGaP 膜中の Ga 原子周りの局所構造変化は捉えられないため、検出方法や着目元素の再考が必要であることが分かった。