抄録
BL43IR 赤外物性ビームラインにおいて、赤外光音響検出器を導入し、赤外分光光度計試料室内と赤外顕微鏡下のそれぞれの位置で、赤外放射光と熱輻射光での分光スペクトルを比較検討した。試料室内では集光サイズが大きく、赤外放射光の高輝度優位性を活用できていないと考えられ、熱輻射光のほうが S/N 比が高く、有意なスペクトルが得られた。顕微鏡下での測定では、顕微鏡光学系によるスループットの制限によって、どちらの光でも信号強度が低く、有意なスペクトルが得られなかった。今後の展開として、サンプリング周波数を低くして、信号強度を高くする方法について検討した。