抄録
銅アンモニアセルロース溶液の非溶媒誘起相分離における構造形成過程を in-situ Ultra Small Angle X-ray Scattering (USAXS) で追跡した。原液を凝固液浸漬後まず超小角領域において散乱強度が増加し、その後、ある誘導時間経過後に約 10 nm の相分離構造が形成されることが明らかになった。浸漬時間 60 秒において超小角領域に散乱ショルダーが観察され、その構造サイズは約 270 nm であることがわかった。その散乱ショルダーは経時的に不明瞭になりべき乗の散乱へと変化した。超小角領域に観察された構造は初期構造が数 100 nm であり、経時的に成長する可能性が示唆された。