抄録
鉄鋼材料のねじり変形過程の現象解明を目的として、高エネルギーX線を用いて SUS304 鋼のねじり変形過程の転位密度変化のその場観測技術を確立した。2 °/s または 180 °/s の速度で 720° までねじり変形させながら転位密度の変化と加工誘起マルテンサイト変態を観測した。そして、ねじり変形(多軸応力)の相変態挙動と転位密度変化を定量評価し、冷間圧縮(一軸応力)との ε 相発達の差異を明らかにした。本技術により、実機製造プロセスにおける実材料の特性向上メカニズムの解明や効果的な材料開発へ展開する。