抄録
大気中の CO2 を原料として液体合成燃料(e-fuel)を製造する技術開発は、カーボンニュートラルの実現に向けて重要な鍵となる。本技術の実用化には、逆水性シフト(RWGS)反応およびフィッシャー・トロプシュ(FT)合成において高い活性を有する触媒の探索が必要であり、各反応の活性種の解明が重要である。そこで、実反応下における鉄系触媒の構造解析により RWGS 反応と FT 合成の活性種を特定することを目的として、in-situ XAFS 測定を行った。本実験により、反応ガス雰囲気下で鉄系触媒は RWGS 反応では Fe が、FT 合成では鉄カーバイドが主たる活性種であることが示唆された。