SPring-8/SACLA利用研究成果集
Online ISSN : 2187-6886
Section B
XAFSを用いた硫酸水溶液中におけるチタンイオンの溶液構造解析
鶴村 達也矢木 一範亀田 恭男
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2017 年 5 巻 1 号 p. 145-148

詳細
抄録
硫酸法による二酸化チタン製造過程で生成する硫酸-チタン水溶液中のTi(IV)イオンの溶液構造を調査するため、硫酸濃度を変更した硫酸-チタン水溶液を作製し、XAFS(X-ray absorption fine structure)測定を行った。XANESの結果から、硫酸濃度を変更することでTi(IV)イオンの配位構造が変化していることを示唆する結果を得た。Ti-K吸収端のEXAFS振動の結果も同様に硫酸濃度の変更に伴うスペクトルの変化が確認された。EXAFS振動k3χ(k)のFourier変換(k=3.0-7.0 Å-1)により求めた動径構造関数より、硫酸濃度の増加に伴い、最近接Ti-Oピーク強度の増加と結合距離が短くなっており、錯体種の変化や配位子の変換、Ti-O配位結合距離の変化が起きていると推察される。
著者関連情報
前の記事
feedback
Top