抄録
O/Nb 比が 2.5, 2.6 および 2.7 を持つ非晶質酸化ニオブ薄膜 (a-NbOx) を用いた光電気化学特性を評価した結果、O/Nb 比が大きい程高い性能を示した。各 a-NbOx の構造モデルを得るために、高エネルギーX線回折 (HEXRD) 測定によって得られる構造因子や、広域X線吸収微細構造 (EXAFS) 振動、Bond valence sum (BVS) を拘束条件とした逆モンテカルロ法 (RMC) シミュレーションを試みた。RMC モデルより、NbOn 多面体のネットワークは O/Nb 比が増加する程、頂点共有から稜共有や面共有へ移行する傾向が確認され、面共有を多く持つ薄膜ほど、光電気化学特性の性能が高いことが示唆された。